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受話器の向こう側 少しこもった声は たぶん毛布にくるまって話してるせいだろう。




「は、はいっ!」

「・・・ビックリさせるなよ」


発信はまさかの1コール目でつながった。

学年末試験の追試の日が迫っているが、今日は俺の都合で勉強をみてやれなかった。
前々から今日がダメなことは判っていたから、ゆのには代わりの宿題のようなものを与えていた。
出来映えを聞こうと電話すると、既に電話を手に持っていたのか、受話口を耳にあてるやいなや、ゆのの声が耳に届いた。

ビックリした。言葉では判らなかったと思うけど、かなりビックリした。


「すみません・・・ちょうど携帯を触っていたので」


どうやらその通りだったらしい。

時計を見ると時間はもう23時を回っている。
ベッドに寝転んで携帯を操作しているゆのの姿が頭に浮かぶな。

・・・いや、待て。
あいつのパジャマ姿なんて見たことないだろ、俺。何だこの妄想は。


「どうかしました?」

「あー。いや、何でもない」


すぐに考え込むこのクセ、やっぱり治した方がいいかな。


「それにしても速かったな。もしかして、誰かからかかってくる予定だったか?」


それなら早めに用を済ませて切らなくては。
テーブルの上から課題として出していた問題と答えのプリントを手に取る。


「あ。大丈夫です。そういうわけではないので」

「そっか。ならいいんだけど」


それならもう少し何か話していようかな。

横目で手にしたプリントを見る。今やらなければいけないことは明らかだ。

それでも、俺はそんなことを考えてしまう。
しかし、今日も会って、昨日も会って、どうせ明日も会うのに電話で話したいなんて、俺もバカだね。実際。


「ただ・・・」


ポツリとゆのが呟く。

何故だろう。
その時、俺はある予感がした。


「・・・ただ?」


悪いことが起きるわけじゃないのに。
誰かが幸せになれるはずなのに。
それは良いことのはずなのに。

誰かが不幸になってしまう。そんな予感が。


「かかってくるといいな。って思ってました」


手に持ったままだったプリントが足もとに散らばった。

彼女は少し恥ずかしそうに、けれど嬉しそうに、そう言った。

いやいや。待て待て。
言ってない。彼女は一番大事な部分を言ってない。
訊いてはいけなくて、聞いてはいけない部分を。


「だから」

「・・・だから?」

「切らないでくださいね」


ほとんど毎日顔を合わせてはいるけど、付き合いはまだ一年にもならなくて。
朝の挨拶だけの日もあれば、休日丸一日をみんなと一緒に過ごした日もあって。

つまりは、親しい友人というレベル留まりというわけで。
それ以上でも以下でもないわけで。

けどいつからか、俺は彼女と過ごす時間を嬉しく思い始めて、それは他の人とでは感じることのないものだと思った。
だからその言葉はあまりにも不意打ちで、何がなんだかよく解らなくなって。


「ああ」


何とかそれだけ、俺は言葉を発した。

今の俺にできることは、こうやって彼女とつながっていることだけだから。

彼女がそう望んだから。





















神様。俺は聞いてない。


俺の『好き』とあいつの『好き』が違うモノだったなんて。


そんなの聞いてない。


だけど神様。お願いだ。


もしもあなたが本当に存在するのなら、生まれて初めて、この一度だけ、あなたに祈ります。


彼女をこの世界の誰よりも幸せに。




...Continue?





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